うつ病になって遺書を書いた話(前編)
ある日、朝起きられなくなった。
私は新卒でこの会社に入り、季節は夏に向かっていた。
この会社でお金を貯め、両親に恩返ししながら習い事なんかできたらいいなあと感じていた矢先のことだった。
その日、やっとの思いで会社に電話を入れた。
親にもラインをした。
朝ごはんは食べられなかった。
その日一日布団にいたにも関わらず、次の日もかなり体調が悪かった。
と言うかどんどん悪くなっていった。
常に涙を流し、夕方にはごめんなさいと空に向かって土下座した。
謎の熱も出るようになった。
それでも休みながらでも会社に行った。
ご飯は作れないどころか食べる気力もなかったので、昼以外は牛乳しか飲めなかった。
それでももうちょいすれば治ると思っていた。
だが、初夏のある日。
決定打となる事象が起きた。
私が夕飯を食べている時、
テレビが話しかけてきた。
と言うか空間が私に死を求めてきたのだった。
その後私は経験したことのない感覚に陥った。
このままおかしくなって発狂してしまうのではと言う不安である。
脳みその大事な部分が雑巾絞りされてるような、なんと言えばいいのかわからないが、人生で一度も体験したことのない感覚ではあった。
「これは、一回精神科行かないとやばいかもしれない」
やっとそう思った私は、精神科への受診を決めたのである。